アルツハイマー病は何をどうしたらいいか?

アルツハイマー病は名前は聞いたことはあるだろう。

認知症の大きな原因の一つと知っている人も少なくない。

だが、予防・治療のため何をどうしたらいいかよくわからないのが、
正直なところではないだろうか。

 

いろいろな人がいろいろなことを言っていてよくわからない。

アルツハイマー病は何がどうなって、どうしたらいいか?
とてもシンプルな考え方をお伝えしようと思う。

アルツハイマー病は年齢とともに増える

下のグラフは、アルツハイマー病(AD)による認知症の患者数のグラフだ。

白丸がアルツハイマー病の認知症で、
一年間に千人あたり何人診断されるかのグラフだ。

右に行くほど年齢が高くなっている。

75歳で10、80歳で30、85歳で40、90歳で60だ。

100人当たりに直すと、1人、3人、4人、6人。

75歳で同じくらいの年齢の知り合い100人のうち
毎年1人はアルツハイマー病と診断される。

結構身近ではないだろうか?

 

出典:アルツハイマー病について 1)疫学

 

アルツハイマー病はどういう病気か?

症状は、ご存知の通り認知症がメイン。

認知症は言ってみれば、「ここはどこ?私は誰?」状態。

すぐに忘れる、から始まり、覚えられない、
昔のことも忘れる、家族もわからなくなる。

道がわからなく焦ってうろうろしてしまう。

(これを徘徊と呼んでいるが、うろうろすることがメインじゃなく、
 行くべき道、やるべきことがわからなくなっているのがメインだ)

意思疎通が取れなくなり、自分で身の回りのこともできなくなり、
最終的には寝たきりになり、肺炎などでお亡くなりになる。

アルツハイマー病は治るか?

残念ながら現段階では治らない。

進行を遅らせる薬は存在するが、
病気を治す薬はまだない。

現在、研究・開発段階の薬が多い。

薬以外で治る方法として知られている方法はない。

アルツハイマー病の予防・治療としての一法とは?

ただ一つだけ希望を感じる方法がある。

グルテンフリーや糖質制限に通じるものだ。

それは、

 

断食(だんじき)。

 

間欠的な断食 Intermittent Fasting が流行っている。

Can intermittent fasting protect against Alzheimer's disease?

残念ながら、まだ人での研究は行われていないが、
研究室レベルでは盛んに研究されている。

Intermittent Fasting Protects against Alzheimer’s Disease Possible through Restoring Aquaporin-4 Polarity

Intermittent fasting protects against the deterioration of cognitive function, energy metabolism and dyslipidemia in Alzheimer’s disease-induced estrogen deficient rats

アルツハイマー病はそもそも脳内で何が起きてる?

間欠的な断食がなぜアルツハイマー病を予防・治療するのかを説明するのには、
アルツハイマー病は脳内で何が起きているかを知らねばならない。

アルツハイマー病の患者さんがお亡くなりになった後、
脳の一部をとって顕微鏡でのぞくと、二つの特徴的なものが見える。

一つはアミロイドプラーク
もう一つはタウタングル。

どちらもタンパク質の塊だ。

アミロイドプラークは、
アミロイドベータ(ベータアミロイドとも言う)が集まったもの。

タウタングルは、
リン酸化タウタンパクが集まったもの。

どちらももともとは神経細胞に必要なタンパク質だが、
古くなってゴミになったものが集まってしまったのだ。

ゴミになったタンパク質がなぜ集まってしまったのか?
ゴミになったタンパク質は通常はどう処理されるのか?

細胞内のゴミはリサイクルされている!

人の細胞内には、言ってみれば清掃・リサイクル工場がある。

細胞内で使い古した酵素や小器官たとえばミトコンドリアなどは、
清掃・リサイクル工場で処理される。

この清掃・リサイクル工場こそ、
2016年にノーベル医学生理学賞を受賞した世紀の大発見、
オートファジー(autophagy)だ。

オートは自分・自己、ファジーは食べる。

自分の中のゴミを食べる作用という意味からきている。

ゴミを食べて掃除した後は、
もう一度新しいタンパク質を作る原料のアミノ酸が作られる。

つまり、リサイクル工場の機能も兼ね備えているわけだ。

参考文献:

オートファジーアルツハイマー病との関係のわかりやすい動画はこちら。

なんと15歳のインドの少年が作った動画だ。

ベータアミロイドもタウタンパクも
オートファジーで掃除・リサイクルされるべきタンパクなのだ。

ゴミがたまってしまったのは
オートファジーがうまく動いていないからと考えるのが自然だ。

ではなぜオートファジーがうまく動かなかったのか?
オートファジーをうまく動かす方法は?

アルツハイマー病の原因を除去するためのおすすめ法は?

アルツハイマー病と関係があるベータアミロイドとタウタングルを
掃除してくれるオートファジーを適切に動かすことはできるのか?

できる。

オートファジーを動かす方法はいくつか知られている。

そのなかで、誰でもできる方法がある。

それが、

 

 

お腹を空かせること。

言ってみれば、短い断食。

 

食べないとオートファジーが動き出す。

下の動画をキャプチャしたものだが、
MTOR Dependentのオートファジーを誘導するものリストの中に、
カロリー制限(Caloric Restriction)が見えるだろうか。

13分20秒あたりだ。

体は、栄養分が来ないとわかるとリサイクルを始めて、
ゴミを生まれ変わらせて栄養にするのだ。

 

参考文献:

Caloric restriction and the precision-control of autophagy: A strategy for delaying neurodegenerative disease progression.

治療的な断食を具体的に教えてくれているのがこの動画。

17分あたりから具体的な始め方を解説している。

まとめ

アルツハイマー病は脳内にたまる、
いわゆるタンパク質のゴミを掃除しないことによる。

ゴミ掃除を担当しているのがオートファジーだ。

オートファジーは、栄養分がたくさんあるときは、
活発に活動しない。

栄養分がなくなる、つまり、人が食べ物を食べずに、
お腹を空かせると、ゴミを掃除して、リサイクルして、
栄養分を作り出そうとする。

このゴミ掃除・リサイクルの工場を活発に動かすことで、
ゴミのない脳細胞が保たれる。

こう考えるととてもすっきり考えられる。

近いうちに

「お腹を空かせるのはボケ防止になる!」

「お腹を空かせると認知症がよくなる!」

などというエビデンスも出てくるのではないかと期待する。

おすすめ健康法

ちなみにぼくがおすすめしたいのが「空腹健康法」。

断食ほどストイックにしなくていいし、
治療と言えるほど厳密な方法はいらないと思っている。

  • 空腹になったら食事をする。
  • 空腹でなければ食べなくてもいい。
  • タンパク質、脂質を中心に食べて、いらなくなったら食べない。
  • 糖質(炭水化物)は止まらなくなるので少なくする。
  • 休みの日の昼とか抜きやすい食事を抜いて空腹状態を作ってみる。
  • 忙しいときは食事を食べずに空腹状態で頑張ってしまう。

自然の摂理に合わせて、
自然な空腹を作れば、
オートファジーが活性化して、
体内のゴミが掃除・リサイクルされる。

デトックスにも似ているなと思う。

空腹は、あなたの体がもつ生命力をアップさせる。

オートファジーをそんなイメージでとらえるといいと思う。